１．造作物を解体する費用は、看板や建物内部の壁・天井・床に加え、カウンターや厨房など借主が内装工事を行なって設置したものを解体し、撤去するために必要な人件費です。
２．廃棄物を処理する費用は、造作物を撤去した際に発生する木材・コンクリート等の産業廃棄物の運搬処理費用と、厨房用品などの廃棄物の運搬処理費用です。

家具など一般廃棄物として処理できる廃棄物は、業者に処理を任せると産業廃棄物の扱いになるため、同じ廃棄物であってもその処分費用はかなりの高額になってしまいます。

原状回復費用をできるだけお得にしたいなら、工事前に市区町村の行政サービスなどを利用し、イスやテーブル、什器などを一般廃棄物（粗大ゴミ）として処理されることをお勧めします。

　　
原状回復工事の費用は、地域や業者、また周辺状況などによって変わります
が、同じ業者であっても費用が変わる場合があります。
たとえば、繁忙期には高くなり、閑散期には安くなるといったことが挙げられます。
工事費用が変わる理由について、よくあるものを表にしましたので参考にしてください。

　　
原状回復工事の際のトラブルとして、アスベスト（石綿）の取り扱いがあります。
平成18年以前に建てられた建築物では様々な箇所でこのアスベストが使われているため、特にスケルトン状態に戻して返却する場合は、アスベストが飛散しないよう適切に処置しなければなりません。
　アスベストを含む建材は肺癌や塵肺、肺線維症、悪性中皮腫などの健康被害を及ぼしますので、アスベスト診断士を置くなど徹底したアスベスト対策を行っていることが不可欠となります。
加えて、産業廃棄物の不法投棄にも十分に注意しなければなりません。
安さばかりを謳い、工事で出た廃材を地中に埋めるようなずさんな処理をする業者も後を絶ちません。
産業廃棄物を正しく処理していると言っている業者でも、なかには管理責任者がおらず、適切に処理や処分を行っていないところもあります。
　万が一、業者が不法投棄した場合、依頼主も法的に罰せられてしまいますので、管理責任者がいるか、マニフェスト（産業廃棄物をきちんと処理したことが確認出来る管理票）をしっかりと作成して提出してくれるかなど、必ず事前に確認するようにしましょう